ルワンダの自然
ルワンダを知ろう・・・今回はルワンダの自然をご紹介します。
「千の丘の国」と呼ばれるルワンダは、中央アフリカの大湖沼地域内にあり、緑豊かな丘陵が連なった多様な自然美を誇る、温暖な気候の国です。中央部と西部はなだらかな緑の山岳地帯に覆われ、東部にはサバンナ、平原、湿地帯があります。
北はウガンダ、東はタンザニア、南はブルンジ、西はコンゴ民主共和国と国境を接しています。内陸国であり、アフリカ諸国の中でもかなり小さな国 (国土面積:26,338㎢)であるにもかかわらず、保護を必要とする多様な生物の驚くべき宝庫となっています。ルワンダを中心とした6カ国にまたがるアルバーティーン地溝帯環境保護区(ARE)は、他に類を見ない稀少な固有種が生息する重要な地域です。自然科学者たちは、AREをアフリカ大陸で最も生物多様性の高い地域と考えています。
自然を愛する方々は、ルワンダで見ることのできる多様さと他国に劣らぬ魅力に感銘を受けることでしょう。またルワンダには、絶滅危惧種に指定されているマウンテンゴリラやアルバーティーン地溝帯の固有種以外にも、多くの観光資源があります。たとえば、キブ湖の湖畔にはアフリカ屈指の内陸ビーチがあり、キブ湖内に点在する小さな島々を探索することができます。
それではルワンダの代表的な自然を4か所、個別にご紹介していきましょう。
ルワンダの世界遺産ニュングェ国立公園
「ニュングェ国立公園(Nyungwe Forest National Park)」は、ルワンダ共和国南西部にある国立公園である。2023年にルワンダ初の世界遺産となりました。この国立公園はルワンダの南部州と西部州の境界上にあり、ブルンジとの国境に近いキブ湖の南側に位置します。設立されたのは2004年のことであり、多雨林、竹林、草原、沼地、ボグなど計970 km²の面積を擁します。最寄の都市はチャンググであり、公園から西へ54 kmの場所にあります。また、ビググ山(Mount Bigugu)は国立公園の境界内側に位置しています。
「ニュングェ国立公園」はルワンダ南西部に位置する広大なエリア(1019平方km)が保護されていて、ニュングェの森林は中央アフリカでも最大の森林地帯となっています。ここはナイル川の水源の一つとされていて(2006年にイギリスの探検隊がニュングェ森林にナイル川の源流を発見したと発表しました)、国内の水の供給源というほどに豊富な水と非常に豊かな森が広がっており、他にも多雨林、竹林、草原、沼地などさまざまな景観が広がるのが特徴です。ここには約200種の樹木と約100種のラン科の花などが存在し、野生種のベゴニアや巨大なロベリア(ミゾカクシ)など、希少な植物が多く生息しています。そして、絶滅危惧種のチンパンジーを含む13種もの霊長類を筆頭として、哺乳類や爬虫類、鳥類など、固有種や絶滅危惧種が多く見られる世界的にも貴重なエリアです。
ヴォルカノ国立公園
「ヴォルカノ国立公園」はルワンダ北西部に位置する国立公園で、熱帯雨林と5つの火山を領域としています。コンゴ民主共和国のヴィルンガ国立公園とウガンダのムガヒンガ・ゴリラ国立公園に隣接しており、希少なマウンテンゴリラとゴールデンモンキーの生息地として知られています。「ヴォルカン国立公園」とも表記されます。公園の見どころはなんといっても絶滅危惧種のマウンテンゴリラで、公園内のビルンガ山地にはなんと世界中で700頭ほどしかいないといわれているマウンテンゴリラの約半数が生息しています。ビルンガ山地への入山料はかなり高額ですが、GPSを持ったポーターがいるので100%の確率でマウンテンゴリラに出会うことができます。かなり間近で観察することができ、シルバーバックと呼ばれる群れのボスゴリラの迫力は圧巻です。マウンテンゴリラの他にも希少なサルたちの姿も見ることが出来るおすすめスポットです。
アカゲラ国立公園
ルワンダ東部カヨンザ郡にあるのが2,500km²の面積を有する「アカゲラ国立公園」です。この国立公園はルワンダの北東部に位置し、タンザニアとの国境の一部を形成しています。ベルギー植民地時代の1934年にサバナ (地理)、山地、沼地の三種のエコリージョンからなる動物保護区として設立されました。また、園内にはシャカニ湖(Lake Shakani)やイヘマ湖(Lake Ihema)といった湖や、観光名所の1つであるルスモ滝などが存在しています。1994年に長らく続いたルワンダ内戦が終結すると、ルワンダ政府は内戦から逃れるために国外など各地に避難していた人々を国立公園内に受け入れています。これらの避難民は大半が3つある地域のうちのサバナ地域に居住しています。また、内戦時には隣接するタンザニアの保護区などに逃れていた野生動物も近年公園内へ戻りつつあります。なお、現在アカゲラ国立公園園内の観光を行う際にはガイドと同行する必要があります。
アフリカ大陸の各国にある国立公園は、その広大さからなかなか訪れにくい・・・見学するのに時間がかかり出費もかさむ・・・そんなこともあるそうです。しかしルワンダは国土の小さい国なので、野生動物が住む国立公園へ日帰りが可能で首都キガリから車で約3時間弱で行くことができます。国立公園の中には宿泊施設があるため宿泊も可能です。公園内の移動は四駆車が必須ですが、幾つかのツアー会社があるので、四駆車とガイドをレンタルして見学します。
キブ湖
「キブ湖(Lake Kivu)」は、アフリカ中央部に位置する湖です。コンゴ川水系に含まれ、コンゴ民主共和国南キヴ州とルワンダ西部州にまたがっており、湖の中ほどを国境が通ります。およそ2700km²ほどの面積を有しており、その広さはアフリカ有数の規模を誇ります。海抜はおよそ1460メートルで、アフリカ大地溝帯の一部であり、火山活動にともない成立しました。かつては北のエドワード湖と結ばれていたと考えられています。湖からはルジジ川が流出し、南のタンガニーカ湖に注いでいます。内戦で漁獲高は減少しましたがヒレナマズ、バルブス、シクリッドなどの在来種が住み、漁業が盛んな湖です。周囲を山々に囲まれた美しい景観から、将来的には観光産業の発展も期待されています。湖の中央にはイディウィ島(イジウィ島)があります。
参考文献
駐日ルワンダ共和国大使館、旅行各社ツアー情報、他